自衛隊官舎といっても地域によって家賃も違うし、棟ごとにルールが違うこともあります。
ここでは、自衛隊官舎への入居を検討している人に向けて、自衛隊官舎の基本的な情報を紹介していきます。
私自身これまで2つの官舎に住み、他の官舎に住んでるママ友のところへ遊びに行ったりして「あ、結構ちがうもんだな」と思いました。
自衛隊の官舎に入居する条件
自衛隊の官舎に入居できるのは、営外居住ができる自衛官とその家族です。
- 幹部自衛官
- 結婚している自衛官
- 30歳以上2曹で営外許可が降りた自衛官
- 上記の家族(妻、子供、親など)
官舎での同棲は不可
基本的には官舎での同棲はできません。
ですが、場合によっては入籍前であっても「近々籍をいれる婚約者と暮らす」 と言って、入居できたケースもあるようです。
ちなみに、事実婚の場合入居できるかというと…。
国家公務員共済の被扶養者認定の中に「内縁の妻」という記載もあるので、事実婚でも申請を出して許可が降りれば入居可能かもしれません。
基本的には自衛隊官舎というのは「自衛隊員本人とその家族が住める」と思っておけばよいでしょう。
ペットは基本的に不可
自衛隊官舎ではペットを飼うことはできません。
もしペットを飼う予定がある、すでにペットを飼っている場合は、ペット可の賃貸物件に入居しましょう。
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自衛隊官舎の間取り
自衛隊官舎の間取りは大きく分けて2つあります。
- 世帯用の間取り
- 単身用の間取り
ちなみに単身者であっても、空きがないときは世帯用に入れられたりします。
稀なケースですが、1つの部屋を2人の単身者で使う事もあります。
世帯用の間取りは3DK、3LDKが多い
家族向けの間取りになっているので、広い間取りになっています。
キッチン、風呂場、各部屋の広さなどは、その官舎によって違いがあります。
夫婦2人子供2人という家族構成であれば、余裕をもって暮らせると思ってください。
単身用の間取りは1LDKか、2DKが多い
家族向けと比べるとやや狭い間取りですが、一人暮らしには十分な広さです。
結婚前から官舎に住んでいて、後から奥さんも同居することになった場合は、そのまま単身用の官舎に住み続ける事もあります。
私の知ってる限りだと、世帯用の官舎に家族7人で暮らしている人もいました。
自衛隊官舎の設備
官舎の設備は築年数によって変わります。
「建てられた当初は最新設備だった」ということを頭に入れてもらえれば、イメージしやすいかと思います。
平成後期に建てられた官舎
普通の賃貸物件とあまり変わりません。
- 床フローリング
- 備え付けの棚あり
- 洗面台あり
- お風呂は自動給湯
- 対面キッチン
- クローゼットあり
- インターフォン
- 24時間換気
5階建て以上の場合はエレベータがついてることもあります。
築年数10年未満であれば、間違いなく快適な暮らしができます。
平成初期に建てられた官舎
比較的近代的な設備になっているところが多い印象です。
- 床フローリング
- 風呂は自動給湯か蛇口ひねるタイプ
- 洗濯置き場は室内
- 給湯器、換気扇備え付け
- 収納は押入れタイプが多い
築年数20年~30年であれば、家賃も周辺相場の3分の1程なので、そこそこ快適に暮らせます。
昭和に建てられた官舎
昭和の団地そのものです。
- オール畳
- 網戸ナシ
- 風呂はバランス窯
- 壁はコンクリ
- 換気扇や給湯器は自前
- 洗濯置き場は室外
令和現在ではこうした官舎も、老朽化から続々と取り壊しされています。
築年数40年越えであれば、いくら家賃が安くても快適に暮らせるとは言い切れません。
私の個人的な意見なんですけど、築年数が40年越えの官舎であれば賃貸を選ぶことをおすすめします。
自衛隊官舎の家賃
自衛隊官舎の家賃については、立地と築年数と間取りによって変わります。
築年数が若いほど高く、そして東京や大阪といった都市部ほど高いです。
築年数が古いほど安く、立地が山奥であったり田舎であるほど安いです。
地方の官舎(世帯用)の家賃の目安
- 築3年3LDK官舎(駐車場込):35,000円前後
- 築25年3LDKの官舎(駐車場込):20,000円 前後
- 築50年3DKの官舎(駐車場込):5,000円 前後
築年数に比例して家賃の金額が変わることが多いです。
周辺の家賃相場の半分~3分の1程度くらいと思っておくとよいですよ。
このほかに毎月2000円前後の共益費を納めます。
私の実体験や周りの官舎妻にリサーチした結果なので、あくまでも目安として考えてください。
自衛隊官舎のルールや当番・役員など
自衛隊官舎といっても、普通の団地や集合住宅と一緒です。
官舎ごとにルールがあり、当番や役員などもあります。
マンションの管理組合みたいなものと思ってください。
それと合わせて自治会(町内会)も入る事も多いので、地域の行事も参加することもあります。
自衛隊官舎のルール一例
- 新しい入居者は同じ階段の世帯に挨拶
- 新しい入居者の為に歓迎会実施
- 地域の防災訓練への参加
- 定期的な官舎周辺の草刈り・清掃
最近の官舎の傾向としては、敷地内の草刈り・清掃は業者に依頼してやってもらう所も増えています。
お金がある官舎は外部委託、お金がない官舎は自分たちで…といった感じですね。
引越の挨拶なんかは規約で決まってるところもあれば、まったくない官舎もあります。
歓迎会も必ずあるというわけではありません。
ちなみに引越の挨拶をする人は官舎でもドンドン減ってます。ルールも役員が変われば減ったり増えたり色々あります。
関連官舎への引越し、挨拶はする?しない?(準備中)
自衛隊官舎の当番の一例
- 月当番(共益費の回収、配布物の管理)
- ゴミ捨て場の掃除当番
- 階段掃除当番
自衛隊官舎の役員の一例
- 管理人(外部委託も多い)
- 役員代表(年間行事の決定など)
- 会計(共益費の集金・管理など)
- 書記(書類作成、配布物の用意など)
- 生活(官舎内の共用部分の管理)
- 体育(周辺地域の運動会やスポーツ大会の設営・準備)
- 子供会(親子イベントの企画立案・実施)
いずれも官舎によっては、存在したりしなかったりと色々です。
私の経験から言うと当番や役員はどれも難しいことはなく、1度やってしまえば係が免除になる事も多かったです。
官舎の当番・役員がネックな場合は、賃貸アパートに住むのも良いと思いますよ。
自衛隊官舎の退去費用
自衛隊官舎は入居する際の敷金礼金は発生しないものの、退去する際には原状回復のための「退去費用」が発生します。
結果的に敷金礼金と同じくらいの金額が出ていくと思ってください。
目安としては、住んだ月数×3000円ほどです。
- 1年(12か月):36,000円
- 3年(36か月):108,000円
- 5年(60か月):180,000円
このほかにも、畳の張替え、ふすまの張替えなど、実費請求されてトータルで20万~30万ほどの退去費用になることもあります。
その他、退去時には部屋にクリーニング業者を入れることになっています。こちらも自費です。
5~6年以上住むのであれば、退去費用はそれ以上変わらないとも言われています。つまり長く住んだほうが結果的にはお得ということですね。
関連引越しの際のクリーニング業者選び(準備中)
自衛隊官舎のブログ
全国各地の自衛隊官舎情報や、リアルな口コミ、詳細な写真などをご覧になりたい方はコチラのブログが参考になります。
海上自衛隊官舎が多めですが、周辺情報や官舎の当番・役員の情報を知りたい人にはお勧めです。
まとめ
はじめて官舎への入居を検討している方向けに、自衛隊官舎情報をお伝えしてみました。
家賃が周辺相場やりも安いのに、広い部屋に住めて、なおかつ職場までが近いのが官舎のメリットです。
役員や当番、人間関係の煩わしさはデメリットですが、同じ職業の家族が集まっているので心強いときもあります。
もし官舎を選択すれば、転勤辞令がでた忙しい時期にわざわざ新居探しをしなくて済むので楽ちんです。
官舎係に入居希望を伝えておけば、後は部屋番号が決まるのを待つだけです。
立地と築年数によっては官舎もそこそこ住みやすいですし、親子ともどもスグに知り合いができる面もありがたいですよ。
私は官舎暮らしも10年になりますが、これといって嫌なことはなかったです。
もちろん官舎に良いイメージがない人もいるので、そういう場合は賃貸アパートに住むのもいいと思いますよ。