自衛隊でも結婚式を挙げない人が増えています。
- 自衛官だから絶対に結婚式を挙げなきゃいけないの?
- 自衛官って結婚式をするのが難しいって聞いたけどなんで?
- 自衛官って結婚式をしないと出世できないの?
などなど、自衛官でも結婚式「しない派」の理由や、その結果どう出世に影響するのかをご説明いたしますね。
ちなみに、うちは結婚式をしましたけど、儀礼服なし、自衛隊余興無し、親族友人だけのスマート婚(ジミ婚)でしたよ。
自衛官でも結婚式しない人はいる!
まず、結論から言うと「自衛官だから結婚式をあげなくちゃいけない」というのは間違い。
自衛官といえども自分の結婚式くらいは自由に決められます。
最近では、入籍するカップルの約半数が挙式や披露宴を行っていないそうです。
自衛官も例外ではありません。
実際に夫の同僚たちを見てみると結婚する人、しない人、どちらも半々くらいですね。
階級によって結婚式をしなくちゃいけないの?
よくネットで言われているのが「幹部自衛官は上官の手前、結婚式は挙げなくちゃいけない」っていう話。
これはね、2018年の今だとたぶん誰も本気にしていません。
ていうのも、知り合いの奥さんは旦那さんが防大出身の幹部自衛官なのですが、結婚式は挙げなかったそうです。
厳密に言うと、日本での挙式・披露宴はナシだったということです。
じゃぁどうしたのかというと「新婚旅行で海外にいったときに、二人だけで挙式した」ということでした。
幹部自衛官は上下関係が煩わしい
幹部自衛官というのは上下関係が凄く煩わしいのだそう。
- 防大時代の先輩・後輩
- 現部隊の隊長や幹部の先輩方
- 過去の隊長や幹部の先輩方
- (部内幹部なら)同期の曹や世話になった上官
これらの全ての人のスケジュールを把握して結婚式を挙げるのは、正直言ってしんどいです。
人によってはいつまでたっても招待客リストが決定しないという場合もあるんだそうです。
そういう煩わしい思いをするくらいだったら、結婚式はしないで新婚旅行を楽しみたいっていう人も増えてるんだそうです。
特に海上自衛隊の護衛艦乗りの場合は、艦艇の出港のスケジュールもあるので結婚式を挙げにくいそうですよ。
自衛官が結婚式をしない理由!
結婚式をしない派の自衛官たちは、なぜ結婚式をしないのか?
それにも人によって様々な理由があります。
自衛官は招集がかかれば結婚式でも即出動!
自衛官は緊急招集が出されれば、例え結婚式の最中でも出動しなければなりません。
東日本大震災のときの噂話で「結婚式中に緊急招集がかかり、新郎はタキシードを脱いで出動した」っていう話がありましたけど、あながちこれはウソとはいえません。
緊急招集の内容によっては新郎は結婚式にそのまま参加できるけど、招待客の自衛官は途中で退席なんてことも実際にあります。
私の知っている中でもこんな話がありました。
- 結婚式の最中に緊急招集。
- 招待客の自衛官が全員退席
- 自衛隊の余興ができなくなったので式の内容を変更
- 結果結婚式を早く終わらせた
- 新郎はすぐに迷彩服に着替えて出動
- もちろん二次会の予定はキャンセル
すべての自衛官がこんな風に結婚式に緊急招集がかかるとは言えませんが、やはりこれは確率です。
起こるときは起こります。
そういうのを見越して「じゃぁ結婚式はしないほうが楽だね」と結論付ける夫婦もいるのです。
入校や出港のタイミングが重なり結婚式が上げれない!
あとは幹部自衛官にありがちなのですが、入校のタイミングで入籍したので結婚式を挙げる機会を逃したパターンがあります。
自衛官って結婚をするタイミングが、「転勤直前」「入校直前」のことが多いので、とりあえず入籍だけして入校や転勤生活を送っていたら、いつのまにか半年、1年と経過。
「今さら結婚式する?」という雰囲気になる人も多いですね。
また全く同じ理由で海上自衛隊で艦艇乗りしている自衛官は、入籍したら3か月~半年の出港になってしまい結婚式の準備が全くできなかったという人もいます。
儀礼服や自衛隊らしい余興が嫌!
実はうちの夫、結婚式の準備しているとき「儀礼服」をかたくなに拒みました。
うちの夫のように、「結婚式でまで自衛官でいたくない!」っていう人も割と多いです。
あとは「儀礼服」を着ることをコスプレみたいで恥ずかしいと考えている人もいます。
だから結婚式を挙げないというのは極端なケースになるのですが、ようは目立つことが嫌な人もいるってことです。
ちなみに私たちは招待客は親族友人で総勢50名、余興は友人たちの歌や手紙といった、実にシンプルな結婚式を挙げましたよ。
衣装は夫はタキシードと和装でした。
夫婦どちらかの身内に自衛隊に悪い印象を持った人がいる!
あとはこれ。「自衛隊に悪い印象をもつ親族がいる」ですね。
こればっかりは仕方ないです。最悪その親族を招待しないという選択肢もありますが、今後の親戚づきあい考えるとちょっと…というケースもあるでしょう。
そこまで結婚式に執着はないし、記念に結婚写真だけ取れれば満足という人は結婚式はあげないことが多いです。
結婚式にかけるお金がない!もったいない!
最近の若い人が結婚式を挙げない理由に「お金が無い、もったいない」というのがあります。
これは自衛官でも一緒。
え!?自衛官でも結婚式にかけるお金持ってないんですか!?
まぁ、正直って、入隊して数年の若手自衛官には思ったより貯金はありません。だから結婚式を挙げないで新婚旅行に使うとか、人によってどちらを優先するかは違うようですね。
自衛官は結婚式をしないと出世に影響する!?
ここでネットで噂されている「自衛官は結婚式を挙げないと出世に影響する」ということについて説明しておきたいと思います。
結論から言うと、結婚式を挙げようが挙げまいが、出世にはなんの影響もありません。
自衛隊では出世は教育隊時代の成績がすべて
まずね、自衛隊での出世スピードというのは、教育時代の成績がほぼすべてです。
曹階級の自衛官であれば、曹昇任試験に合格したあとの半年間の教育隊の成績が基準となります。
成績の良かった人から早く昇任していく感じです。
幹部自衛官であれば、幹部候補生学校の成績とその後の各種試験の点数によって変わってきます。
というわけなので、結婚式を挙げないことで出世が不利になるなんてことはありません。
自衛官は新婚旅行に行くのも大変な準備が必要
先ほど、「結婚式は挙げずに新婚旅行を満喫する」ということをお伝えしましたが、実は自衛官は新婚旅行をするのも一苦労なんです。
自衛官は結婚すると結婚休暇が貰える
自衛官は結婚すると特別休暇(結婚休暇)がもらえます。
結婚式や新婚旅行の場合は、連続する「5日間」取得することが可能です。
結婚式の5日前から、1か月後の期間内に取得できます。
※この5日間は土日祝祭日も含んで数えます。
関連:自衛隊では結婚式のとき休暇はどれくらい貰えるの?新婚旅行にも行ける?
結婚式を土日で挙げて、新婚旅行を結婚休暇で行く人が多いですね。
演習が多い時期や、入校のタイミングなどもありますがら、うまく日程を調整しないと新婚旅行にもいえけない…それが自衛官です。
自衛官が海外旅行に行くには渡航許可証が必要
なお、新婚旅行で海外へいきたい!と思っても、そもそも自衛官は自由に海外旅行へいくことができません。
上記の記事でも書いてますが、自衛官が海外へ行くには「海外渡航申請書」というものを自衛隊に提出する必要があります。
自衛官は社会主義国や情勢が不安な地域へは行けないので
- 北朝鮮
- ベトナム
- ラオス
- 中国、
- キューバ
…などには入国の許可が下りません。
海外では自衛隊=軍人ですから、余計なトラブルを避けるためにもこうした申請書を出す必要があるんです。
ちなみにこの申請は2週間~約6か月前後かかるそうです。
ただ、ハワイなど比較的メジャーな観光地であれば1週間程度で許可が下りることが多いです。
新婚旅行を海外でと計画しているのであれば、遅くても1か月前には「海外渡航申請書」を提出したほうがよいですね。
自衛官でも結婚式しない【まとめ】
自衛官だからと言って必ずしも結婚式をしなければいけないわけではありません。
また、結婚式をするからと言ってかならず儀礼服や派手な余興が必要なわけでもありません。
結婚式をしない理由は様々ですが、だからといって出世に影響することもないのでご心配なく。
ただし、結婚式を挙げないかわりに新婚旅行を満喫する!という方は行き先にご注意くださいね。
新婚旅行を海外にする場合は遅くても1か月前には「海外渡航申請書」を提出する必要があります。
結婚式をしない自衛官も最近では増えているので、「やらないから変」とか「やるべきだ」などの声はまったく無視してよいですよ!
以上、ジミ婚を挙げた現役自衛官妻からのアドバイスでした!
自衛官との結婚事情についてはちらもどうぞ
自衛官との結婚式事情をまとめました。このページをみれば結婚式の全てがわかります。
結婚式をしないという人は、こちらの自衛官の「結婚事情」をお読みください。