世間と比べて自衛官の給料はは安いか高いか?
自衛官妻の筆者、結婚してから転勤で色んなところに行きました。
そこで分かったのは「自衛官は給料安い」という人と「自衛官は給料高い」という2通りの人がいること。
貰っている金額は同じはずなのに、どうして2通りの意見がでるのか?
実際のところ、日本のサラリーマンの平均年収と比べて高いの?低いの?
そのあたりを考察してみました。
自衛隊の平均給料はいくら?
自衛隊の給料は人事院というところが定めた金額で支給されます。
自衛隊の平均年収は国が公表していないので正確な金額はわかりませんが、自衛隊の給料の金額が書かれてた俸給表というものがあるので、それを元に計算してみます。
ちなみに俸給表はネットで誰でも見れます。

調べてみた結果、自衛官の平均年収は約640~750万円となりました。
ボーナスが年二回(約4か月分)支給されることを考えて、16か月で割って月給を計算してみます。
関連自衛隊のボーナス計算方法・金額・判定をザックリとわかりやすく解説
その結果…
自衛隊の給料は 約40万~46.875万 ということになりました。

いやいや、うちの夫はこんなに貰ってないわい!
うん、正直に言おう。
うちの夫の給料は、子供二人の扶養手当を入れても総支給30万です。
自衛隊の給料は勤続年数と階級と各種手当によって差がでる
自衛隊では同じ自衛官でも、勤続年数や階級・手当によって給料に大きな差がでます。
いい例として…
などなど、自衛官といえども、環境や家族構成などにより給料はピンキリなんです。
自衛隊の年収や手当についてはこちらの記事でまとめています。

勤続15年2曹、子供2人のリアルな給料と手取り額について

うちの夫の場合ですが、勤続15年2曹、子供2人という、いたって普通な条件だと月給は総支給で30万です。
総支給30万で、税金や各種保険を差し引けば手取りは20万円になります。
給料から天引きされるもの
- 国民年金
- 健康保険(共済組合)
- 退職金積み立て
- 所得税
- 住民税
- 生命保険
- 防衛省の団体保険
- 定期積立
などなど、自衛隊は給料から引かれるものが結構多いです。
特に団体保険は月1万円くらいかけてる人がほとんどのはずです。
生命保険とは別に…ですよ?
なので総支給30万もあっても、実際のところ手取りは20万くらいになります。
これだとちょっと夫婦二人の生活は問題ないけど、子供が二人で家のローンもあってとなると厳しいかな~というかんじですね。
では、世間一般の給料と比較してみよう
日本人の平均年収が約400万円と言われていますが、中央値を見てみると…
30代の平均年収
年齢 平均年収 全体 男性 女性 30歳 416万円 440万円 372万円 31歳 430万円 456万円 381万円 32歳 445万円 475万円 383万円 33歳 452万円 482万円 389万円 34歳 459万円 492万円 388万円 35歳 468万円 502万円 390万円 36歳 475万円 513万円 393万円 37歳 483万円 520万円 401万円 38歳 485万円 527万円 393万円 39歳 501万円 545万円 396万円

あれ、うちの夫(33歳)の年収が500万ギリギリだったから、自衛隊のほうが給料高いぞ。
というわけで、世間一般と比べると自衛隊のほうが約20万くらい年収が高いということがわかりました。
月給30万だから、普通に考えたら×12か月で360万になるんだけど、なんせボーナスがありますからね。
ボーナスのおかげて自衛隊の給料は底上げされているんですね。

というか、ぶっちゃけ毎月の給料はほぼ赤字でボーナスで穴埋めしています。
関連幹部自衛官35歳の年収はどれくらい?1000万を超える?
自衛官は手取り20万という現実
年収は世間一般と比べて高いということがわかりましたが、実際のところ手取りは20万ちょっとです。
天引きされるものが多いのが理由ですが、一番痛いのは「保険関係」ですね。
自衛隊の団体保険が痛い…けど仕方ない
自衛隊では入隊すると必ず入るように勧められるのが「団体保険」。
これは掛け捨ての生命保険です。
1口100から加入できて、死亡時には手厚い補償が受けられるとあって、自衛隊という職業からほぼ全員が加入します。
これは毎月1万円近く払っている人が大多数で、年間にすると約12万円も払う保険になります。
しかし、これは掛け捨て。
つまり、定年退職したり、自衛隊を途中でやめた場合はこの保険が使えない。
じゃぁ、定年後に新しく生命保険にはいる?でも年取ってからの保険は割高になるし補償もイマイチ。
じゃぁ、若いうちから民間の生命保険(夫婦)も入っておかないとね!
という感じで、総支給30万のうち約3万円くらいが保険料として消えていきます。
ちなみに団体保険に入ってると還付金がもらえる
そうそう、団体保険に入っていると、毎年6月くらいに還付金というものがもらえます。
還付金についてはこちらで詳細を書いています。

で、この還付金がいくらもらえるのかというと…
そう!
約5万円が手元に帰ってくるのです!
これを臨時収入として楽しみにしている自衛官がたくさんいます。
年間12万も保険料払ってるんですけどね…(笑)
まぁ、もしものときは手厚い補償がうけられるという安心もありますので…。
手取り20万でも生活できるのか
話はかなりズレましたが、一般的な自衛官の手取り月20万で生活できるか?と言われると…

生活はできますよ。毎月赤字ですが。ボーナスがあるので大丈夫です。
やりくり上手な奥さんの場合は、しっかり節約をして、長期休暇の日にはテーマパークにお泊りできるくらいの金額を貯金する人もいます。
これはその人の家庭によりますね。
幹部自衛官の場合は多少手取りは増えますが、その分転勤スピードや引っ越しの回数も多いので貯金はあまり溜まらないそうです。
地域によって変わる自衛隊の給料の見方
で、タイトルにあったとおりなんですが、「自衛隊の給料は安いか高いか?」は地域によって感じ方はがかなり違うと思います。
というのも、ことの発端は私の実母の言葉から

あんたの旦那は高給取りだからね by母
最初は「ええ!自衛官って高給取りだったんだ」って私もびっくりしました。
でも、転勤して別の地域にきてみたら…

自衛官って、めっちゃ給料安いよな
という人に遭遇。
たしかにその地域でのコンビニバイトの時給は最低でも1000円。
つまり物価が高いのです。
当然その地域で働く人の給料も高め。
というわけで、自衛隊の給料に対する安いか高いかは、地域によって違いあることが分かりました。
実際のところ地方では平均年収よりも下回っていることが多い。
先ほど、一般的は30代の平均年収を調べてみましたが、30歳男性の平均は487万円。
ですが地域別の年収を見てみると、200万円代の地域が結構たくさんあることがわかりました。
参照元https://www.nenshuu.net/prefecture/shotoku/in_shotoku_city.php
ということは、そういう人たちから見ると自衛隊の年収500万ていうのは、かなり高給の部類に入ります。
逆に東京・神奈川地域だと年収は500万円以上がザラなので「自衛隊給料安い」になるわけです。
自衛隊は仕事のわりに給料が低い説
よくネットで言われるのが「自衛隊は仕事のわりに給料が低い…」ということですが。
自衛隊は基本的に24時間です。
ただ、自衛官は基本的に土日は休み。(部隊や訓練によっては土日も仕事)
そして夜通しの勤務もあれば、数時間の仮眠だけとって勤務する「警衛」というお仕事もあります。
幹部自衛官は朝早いし夜は遅い。
労働基準法が適用されてたら間違いなくブラック企業です。
ただ、そんなブラックな自衛隊でもちゃんとしているのか
働いた分はちゃんと代休が貰えること。
そして、月給は少な目だけどボーナスがちゃんと出ること。
この部分だけはホワイトですね(笑)
まとめ
自衛官というお仕事はとても大変で、傍で見ている私からしてもつらそうです。
自衛官の多くは「絶対こんな組織辞めてやる!」と思ったことがあるはずです。
うちの夫もありました。
どんなに頑張っても公務員だから給料は上がらない。
だけど、手を抜いたり仲間に迷惑をかけると風当たりがきつくなる。
上司からの失跡や、部下の育成、その間に挟まれて心を病んでいく幹部自衛官。
働く本人たちからしたら「こんなに頑張ってるのに給料が少ない!」って思っているかもしれません。
でもまぁ、実際の数値を見ると平気年収のど真ん中の真ん中ですからね。
これから自衛官と結婚したいと思っている女性は、今日のこの記事を読んで現実が分かったと思います。
一般的な普通の生活でいい。
平凡な家庭を築きたいんだという女性は、どうぞ自衛官と結婚なさってくださいな♪
自衛官と結婚したい女性に知ってもらいたいこと
自衛官と結婚したいと思ってる女性には、ぜひ知ってもらいたいことがあります。
ネットなどでは自衛官に関する明らかに嘘な書き込みや、古い情報などな混ざっています。
現役自衛官妻の筆者が今の結婚生活についてまとめてみましたので、ぜひ一読ください。
20代の防大出身のエリート幹部自衛官より
50代で定年間際のとっちゃん軍曹のほうが高給だったりする