自衛官の給料は大卒者であっても、場合によっては高卒者と何ら変わらないことがあります。
一般の会社ですと大卒者の方が高卒者よりも少しだけ給料が高い事がほとんどです。
しかし、自衛隊に至っては学歴よりも入隊区分の違いにより、後々の給料に違いが出てきます。
最近では大卒者でも自衛官候補生として入隊する人も多いので、大卒者だからといって給料が良いわけではないので注意が必要です。
大卒自衛官の入隊区分の種類
大学卒業後に自衛官の入隊試験を受ける際には、大きく分けて下記の3つのケースがあります。
- 自衛官候補生
- 一般曹候補生
- 一般幹部候補生
自衛官候補生はいわゆる任期制隊員。
一般曹候補生は将来下士官(曹)になる隊員。
一般幹部候補生は士官(幹部)になる隊員です。
(なお、一般幹部候補生は防衛大学校卒業者とは若干違う扱いになります。)
このうち、給料が比較的高くなるのは一般幹部候補生で入隊した人です。
大卒自衛官の具体的な年収は?
大卒自衛官であっても入隊区分が自衛官候補生や一般曹候補生であったりした場合は、高卒自衛官とまったく一緒の扱いになります。
自衛官候補生、一般曹候補生で入隊した場合
例えば、高卒自衛官と同い年であったとしても、大卒者の方は入隊が4年ほど後になるので、その場合は勤続年数などから大卒者の方が年収が少なくなります。
下記は高卒で自衛隊に入隊した場合の例です。
- 勤続4年目(22歳) 3曹 216,400円(11号俸)
- 勤続12年目(30歳) 2曹 275,100円(34号俸)
大卒者の場合は30歳で勤続8年です。
早ければ2曹に昇任していますが、大抵の場合は3曹の人が多いでしょう。
上記の例で行くと、勤続8年3曹であれば月給は約24万円ほど。
この他にボーナスを加えると…
24万円×(12か月+ボーナス約4か月)=約384万
ちなみに、30歳同い年高卒自衛官(勤続12年2曹)で計算した場合は、
275,100円×(12か月+ボーナス約4か月)=約440万
同い年でも入隊が4年遅れただけで約50万円以上の差が付いてしまいます。
一般幹部候補生で入隊した場合
大卒者であれば一般幹部候補生として入隊している人も多いでしょう。
入隊から1年間は幹部学校で教育を受けることになるので、そのあとから初級幹部として部隊で勤務することになります。
3尉からスタートし30歳になるころには1尉になっている人がほとんどです。
幹部自衛官の給与例
- 勤続2年目(24歳) 3尉 236,000円(1号俸)
- 勤続4年目(26歳) 2尉 244,000円(1号俸)
- 勤続8年目(30歳) 1尉 269,900円(1号俸)
上記の例で、勤続8年30歳1尉の年収は…
269,900万円×(12か月+ボーナス約4か月)=約431万
同い年の大卒自衛官でも、曹と幹部では約50万円以上の差が出ることになります。
(実際には手当などで年収が増える場合もあります)
なお、自衛隊では階級ごとに給料が決められていますが、すべて俸給表に基づき給料が支給されます。
俸給表はネットで誰でも閲覧することが可能です。
俸給表に興味のある方はコチラの記事もお役に立てます。
給料の差が目立ってくるのは40歳以降
自衛隊では20代~30代の若い内は、曹であっても幹部であっても驚くほど給料に差があるというわけではないのです。
ただ、40歳以降になってくると一般幹部候補生で入隊した人は、ほとんどが3佐になっています。
自衛隊では佐官になると、給料の昇給幅も手当の支給率も曹より優遇されます。
つまり、給料の差が目立ってくるのは40歳以降ということになるのです。
関連幹部自衛官35歳の年収はどれくらい?1000万を超える?
最終的に一般幹部候補生で入隊した幹部自衛官のほとんどは、2佐~1佐で定年となります。
その場合、曹で定年した自衛官との給料差はわずか年200万円ほどと言われています。
転勤回数や教育も多く責任も重いことから、大卒者であっても幹部の道を選ばない人も多数います。
給料面だけではなく仕事のやりがいなども考慮する必要がありそうです。
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